社長ブログ

建築のあれこれ「ローコストビルダーとは」2021.04.02

ローコストビルダーとは、1990年代頃から登場した

「低価格を前面に打ち出した規格形注文住宅の供給業者」

のことをいいます。

大手ハウスメーカーが、部材を工場で生産する体制を持つ

のとは異なり、ローコストビルダーの多くは自らの工場は

持たないが、工法・間取り等を規格化し専属の施工部隊を

持っているのが特徴です。

最近では、ローコストビルと同様の手法で、これまで建売

住宅を手掛けてきたパワービルダーといわれる業者が注文

住宅を手掛けるケースも見受けられます。

どちらの場合も、「最大公約数の顧客層」をターゲットに

しており、より多くの建て主の要望にかなう共通の資材を

大量に発注、仕入れることでコストダウンを図っています。

さらに施工方法を単純化し、工期を短縮することによって、

工賃を安くし、坪単価30万円前後(但し、本体価格)と

いうコストの優位性を保っています。

ローコストビルダーは、「全国的に標準的な建て主像」を

想定することによりコストダウンを図っているため、主に、

「6M程度の道路に面する平坦な土地に、延床面積40坪

程度の平均的間取り(4LDK等)の総2階建てを建てる」

というケースで高いコストパフォーマンスが発揮されます。

つまり、建て主が希望する仕様や間取りがそのローコスト

ビルダーの設定する商品内容と近ければ、広告等で謳われ

ている坪単価とほとんど同じ価格で家を建てることが可能

です。

しかし、いくらローコストビルダーとはいえ、想定される

標準的な建て主の希望する住宅では、大量発注、仕入れの

メリットを十分に発揮することができないため、広告等で

謳われている坪単価ではまず家は建ちません。

また、広告等で謳われている坪単価は、あくまでも「本体

価格」の坪単価であり、現実的にはこの坪単価だけで生活

できる家は建ちません。