高低差がある土地、狭小地、細長地、旗竿地・・・。
どれも敬遠されがちな土地の代表例です。
これらの土地は、特性を考えずにただ「ポン」と家を建てて
しまうと居心地が悪くなってしまうか、費用がかさむ可能性
が高い土地と言えます。
けれど、土地の特性を踏まえた設計をした結果、
「土地が持つデメリットを感じさせない快適な家ができた」
というケースは少なくありません。
また、何よりも魅力的なのは、一般的には人気がない土地の
ため、安い価格で購入できる点です。
代表的な例をあげて、夫々の注意点と活用法を考えてみます。
◆高低差がある土地
道路より土地が低い、または高い土地です。
土地と道路をつなぐ擁壁が、建物を計画する上で最大の
難点です。擁壁を壊す必要がある場合には、取り壊し費用や
造り直しにかかる費用を想定しておかなければなりません。
<活用法>
高低差を利用して、ガレージや地下室を造る場合は、平らな
土地に造る場合と比べて工事費を安く抑えられることがあり
ます。
◆狭小地
10坪台、またはそれよりも面積が小さい土地です。
狭小地の場合、広い土地よりも当然制約は多くなってしまい
ます。しかし、プランニングの自由度が高い工法を採用する
ことによって、その土地を最大限に活かすことができたり、
設計の工夫次第では、面積以上に広さを感じることもできる
はずです。
住宅ローンの利用にあたっては、融資する土地の面積に下限
を設けている銀行もありますので、事前にご相談が必要です。
<活用法>
容積率が高ければ、土地が小さくても必要な建物面積を確保
できる場合があります。また、容積率が低くても、地下室や
ロフトの緩和を受ければ、計画が成り立つ可能性があるかも
しれません。
プランニングの自由度が高い工法を採用する、小さく部屋を
仕切らずオープンな間取りにする、階段を壁で囲わない、
テラスなどの外部と室内をデザイン的に連続させるなど設計
の工夫によっては土地の狭さを緩和できることもあります。
◆細長地
間口と奥行きの比率が極端に異なる土地です。
土地の大部分が隣地と接するため、斜線制限や隣家の高さ、
配置の影響を受けやすくなります。
日当たり、プライバシーの確保などが難しくなります。
<活用法>
周辺の建物の影響を受けづらいプラン、つまりその土地の
中だけで完結する建物の間取りを考えることが重要です。
周囲の視線を遮る塀を建てたり、窓の配置を工夫すれば、
プライバシーを確保することができます。
◆旗竿地
土地が旗竿のような形をした土地です。
敷地延長、路地状敷地などとも言われます。
路地状の部分は、実質上建物を建てるのが難しいため、
敷地全体を有効に利用できない場合があります。
また、前面道路に2メートル以上接していない土地には、
建物を建てることはできませんので注意が必要です。
<活用法>
路地状の部分を駐車スペースにしたり、玄関アプローチ
として工夫することで、敷地全体を有効に利用すること
ができます。