前回に続き、築30年を超える住宅のリフォームか建て替えの
判断基準についてお話ししましょう。
今回は、リフォームしたほうが良い場合について解説します。
一定費用をかければ、リフォームでも新築に近いレベルまで
近づけることは可能です。ただし、場合によって費用が高く
なり「それなら建て替えたほうがよかった」ということにも
なりかねません。
では、その判断基準を解説します。
● 後を継ぐ子が既に自宅を持っている。又は不動産を相続
する者がいないため終の棲家となるか、はっきりと決まって
いない。 ➡できるだけコスト をかけないほうが賢明です。
● 将来、売却・賃貸、あるいは二世帯住宅となる可能性が
ある。➡土地・建物で十分な利益(売却益・家賃収入)を得る
見込みがない時は、無理して新築に建て替える必要はありま
せん。原状回復+最低限 の安全・快適性確保を優先しても
やむを得ません。
● ライフプランを考えた時、予算を低額に抑えたい場合。
➡健康寿命から現在の年齢を引いた年数が15年以下で、将来、
土地や建物を売却し、サービス付 高齢者施設などへの入居を
検討する可能性がある場合は、原状回復+最低限の安全・
快適性確保を優先して計画を立てるとよいでしょう。
※健康寿命=日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、
自分自身で生命維持をし、自立した生活ができる生存期間
● 1981年6月1日以降に確認申請した建物(新耐震基準)で、
現在の住まいについての不満が部分的な場合。➡現時点で
国認定の最低限の耐震基準は満たしています。
※静岡県建築基準条例など、法が定める耐震強度の1.2倍を
求める自治体独自の基準を義務化している都道府県にお住
まいの場合は除きます。
又、住まいに対する不満が部分的であれば、間取り変更を
伴わない水廻りや、給湯器・照明器具・水栓金物の交換、
クロスやカーペットの張り替えなど、 小規模な修繕で十分
満足できる住まいになる可能性があります。
上記、4点がリフォームを選択する判断基準となります。
もう一つの例として、お子様たちが独立して空室が増えて
しまった住まいについては、「減築リフォーム」という
選択肢もあります。
足腰が弱って空室となった2階へ上がるのが大変な場合は
もちろん、その2階をお掃除することや、定期的な修繕と
メンテナンスが必要となります。2階部分を減築して建物
全体の大きさを小さくすることで、メンテナンスにかかる
費用を節約できるというメリットもあります。
いずれにしろ老後も含み、よく検討されることが必要です。
次回は、「建て替え」の判断基準について解説いたします。