冷え性の方には辛い時期を迎えますね。
今回は、室内温熱環境や室内温度差が冷え症の方と
非冷え性の方に与える影響を、生理的・心理学的な
側面から比較検討する実験結果が公開されています
ので、ここに書いてみます。
これによると、冷え症にお悩みの方ほど住宅の断熱
性能を高めておかないと快適には過ごせないことは
もちろん、気温の変化により急激に血圧が上下して
しまい、脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞
などの病気が起こる可能性が高まることが発表され
ています。(ヒートショック)
■20歳代~40歳代の女性6名
(冷え症者3名/非冷え症者3名)の場合
室温21度程度に暖房された部屋から、室温14~18度
の暖房されていない部屋に移動すると、手・足の
「指先皮膚温」は低下するようですが、室温が最低
15度以上あれば、手・足末梢の皮膚温は不快域とさ
れる18度以下にはならないことが示されています。
心理的な側面では、冷え症の方が感じている暖かさ・
冷たさと快適・不快という感覚については、室温が
15度以上でも不快、とする方が大半であったことが
述べられています。
つまり、冷え症の方は手足末梢の皮膚温が高くても、
一日中かなりの冷えを感じているのです。逆に、
非冷え症の方は寒さを比較的不快に感じにくいこと
も示されています。
これは、住宅の断熱性能が向上して暖房されている
部屋と暖房されていない部屋の温度差が6度以下で
あったとしても、冷え症の方にとっては寒い部屋で
ありその寒さ感は、非冷え性の方には実感してもら
えない、ということです。
冷え症の方は急激な冷えを感じてしまうと、終始
冷えを感じたままになってしまうそうです。
これは、暖房されていない部屋の温度差が、6度を
超える場合でも、終始寒いという感覚が変わらない
ことから周囲の温度変化に対し敏感ではなくなって
しまい、ヒートショックを起こしてしまう可能性が
高まるということです。
ヒートショックは、高齢者、高血圧や糖尿病などの
動脈硬化、肥満や睡眠時無呼吸症候群、不整脈など
をもっていると影響を受けやすくなります。
冷え症で上記のような不調をお持ちの方ほど、医療
保険はもちろん新築・リフォームの時に住宅の断熱
性能を向上させることは、高い優先順位になること
は間違いないようです。