地熱(地中熱)について、もう少し詳しくお話します。
最近、テレビ・雑誌等でも報道されるようになってきた「地熱利用冷暖房システム」をご存知ですか?
「地熱」と言っても大きく分類すると2種類の地熱があります。
一つは「マグマの熱」による「地熱」です。
温泉や地熱発電の熱源は「マグマの熱」によるものです。
もう一つは「日射熱」による「地熱」です。これは地中熱とも言われています。
冬があけて春になってくると外気温も上昇し、日射(太陽)量も増えてきます。
これらの熱が地表面を温め、そしてその熱が地中に伝わり蓄えられていきます。
これが「地中熱」です。
ですから、温泉がでない場所でも地中には熱が蓄えられているのです。
外気温は季節によつて大きく変動しますが、地中熱は安定しています。
1年を通じて15~18度程度に保たれているのです。
しかも、最も温度が高いのが11月ごろであり、最も温度が低いのが5月ごろなのです。
地表面の熱が伝わっていくため、外気温と地中温度にはほぼ半年ほどの遅れが発生します。
そのため、外気温が低くなってきたころ地中温度は暖かく、
外気温が高くなってきたころには地中温度は下がっています。
例えば、井戸水を思い出して下さい。
井戸水の温度は「地中熱」の影響を受けています。そのため「夏冷たく、冬冷たくない」のです。
これは「土が持つ2種類の性質」によって発生します。
1、「土」は断熱性能を持っている
土は熱を蓄えます。また、熱を伝えるのに時間がかかります。
それは短期的には断熱性能でもあります。
土の中で小動物が冬眠できるのも「冬の冷たい外気温度」をすぐに 伝えないからです。
2、「土」は熱を伝える性質がある
土は時間がかかりますが、確実に熱を伝えていきます。
この2種類の性質によって「外気温」と「地中熱」は夏冬で温度が逆転しているのです。
夏の暑さ、冬の寒さ、どれも不快なものです。ところが、夏の暑さを冬に利用する、
冬の寒さを夏に利用することで、それは快適に変わります。
これが「地熱利用冷暖房システム」の原理です。
(ガイドブック「家族・住い・地球が長生きできる家」参考)
*地熱利用について、より詳しく知りたい方は
お問合わせ下さい!! 渡辺