昨年の4月14日夜に熊本で地震が起きました。
地震の規模は、M6.5、東日本大震災以来の震度7。
テレビのチャンネルは民放を含め全て地震の詳細速報へ
と変わり、熊本市内や郊外の被害状況に驚きました。
当初はこれが本震で、震源が浅い活断層地震は今後震度
6弱程度の余震が続くと解説されていました。
ところが16日未明に、M7.3という阪神大震災級の地震が
起き、気象庁はこれを本震と訂正しました。
家屋の倒壊、土砂崩れによる生き埋め、橋の崩落と前の
地震と比較にならない被害状況に愕然としました。
あの東日本大震災以降、今後30年以内に震度6弱以上に
襲われる確率は、東海、東南海に集中していただけに、
熊本で起きるなんて誰が予想していたでしょう。
被害状況を見ると、阪神大震災、東日本大震災と同様、
屋根が瓦で重く、耐震性のない昔ながらの木造家屋に
多かったように思います。
昭和56年6月1日以降に確認申請が出されたものから、
耐震基準が大幅に強化され、以前を旧耐震基準の建物、
以降を新耐震基準の建物として分類し、全ての建物が
新耐震基準になるように、国や自治体の補助金などを
活用し、耐震化を進めていました。
ところが、これも二極化が進行し、予算のある都市部
では耐震化が進み予算のない地方部では進まないのが
現状です。
東京の住宅の耐震化率は87%、公立小中学校で88.4%
に対し熊本では住宅の耐震化率72%、公立小中学校で
66.3%と、少し古いデータですが格差は一目瞭然です。
(住宅の耐震化率は国交省H20年、
公立小中学校は文科省H22年調べ)
全てが補助金で賄えるわけではなく自己負担も大きい
わけですから、都市部と地方の所得の格差がそのまま
耐震化率にも表れてきます。地方にいけばいくほど、
昔ながらの耐震性のない木造家屋は多いと思われます。
地震はいつ、どこで発生するのかわかりません。
昭和56年以前の建物にお住まいの方、以降であっても、
外壁にクラックがある、雨漏り、何となく建物が傾斜
している、建物は大丈夫でも裏側が山、川の近くなど、
少しでも不安な方は、専門家にご相談ください。