社長ブログ

建築のあれこれ「土地の見落としがちなポイント」2017.03.29

不動産は様々な法規、権利が複雑に絡み合って成立しているため、

分かりにくい問題点が潜んでいることが少なくありません。

こうした問題点は、スムーズな取引を妨げたり家を建てる上での

制約となる事柄が多く、一般の方にとって非常にやっかいな問題

です。

環境の良し悪しや土地形、日当たりだけに目を奪われず、同時に

下記のポイントにも注目して土地探しを進めましょう。

◆境界杭、境界の位置

1つの大きな土地を2、3の区画に分けて売られている場合や、

土地を造成し新たに分譲されたような土地では、境界杭が入って

いることがほとんどです。コンクリート杭や金属標などで境界が

明示されていれば、後のトラブルも少ないでしょう。

◆道路の幅と持分

前の道路幅を計ってみて、4Mに満たないようならセットバック

(道路から敷地を後退させること)が必要です。

この場合、道路の向かい側から一方的に4Mを確保したラインを

道路境界とみなす場合と現在の道路幅の中心から2Mを確保した

ラインを道路境界とみなす場合があり、どちらかによってセット

バックの面積に差が生じます。なお、後退した部分は、建築する

際の面積に含むことができません。

前の道路が私道の場合は、持分(所有する権利)を確認しておく

ことが重要です。万一、私道に持分がない場合には、工事車輌の

通行不可や、工事のための掘削ができないことがあります。

◆上下水道・ガス等の設備

敷地内に、水道メーターや排水枡、ガス栓を確認することができ

れば、まず多額な費用が掛かることはないと考えていいでしょう。

ただし、配管等の設備がそのまま使用できる状態と、古い設備を

入れ替える必要がある場合があります。

過去に建造物をたてたことがない更地では、配管が引き込まれて

いないことが多く、新たに前の道路から敷地内までの配管を引き

込む費用が必要になります。

◆周辺の建物の様子

建築の制限は、数値で示されてもなかなかイメージしにくいもの

です。

周囲の建物をよく観察すると、どのような規制がかかっていて、

どれ位の範囲なら建物を建てることができそうかという検討が

しやすくなります。特に都心部では「高度地区」の制限が厳しく

掛かっている地域が多いため、付近の建物の「屋根のライン」を

目安にして建物の規模を推測してみましょう。また、すぐ近くに

高層マンションや商業施設が建っているなら、建蔽率・容積率が

高い地域かもしれません。

周りに鉄筋コンクリートの建物ばかり建っていたら、その地域は

防火地域なのかもしれません。この場合、一般的に建物の構造は

耐火建築物に限られるため、鉄筋コンクリート造が多くなります。

また、建物の外壁面が隣地や道路から必要以上に離れている建物

が多く見られたら、地区計画や風致地区等の特別制限がかかって

いる地域かもしれません。