社長ブログ

建築のあれこれ「地形の有効利用法」2017.04.05

高低差がある土地、狭小地、細長地、旗竿地・・・。

どれも敬遠されがちな土地の代表例です。

これらの土地は、特性を考えずにただ「ポン」と家を建てて

しまうと居心地が悪くなってしまうか、費用がかさむ可能性

が高い土地と言えます。

けれど、土地の特性を踏まえた設計をした結果、

「土地が持つデメリットを感じさせない快適な家ができた」

というケースは少なくありません。

また、何よりも魅力的なのは、一般的には人気がない土地の

ため、安い価格で購入できる点です。

代表的な例をあげて、夫々の注意点と活用法を考えてみます。

◆高低差がある土地

道路より土地が低い、または高い土地です。

土地と道路をつなぐ擁壁が、建物を計画する上で最大の

難点です。擁壁を壊す必要がある場合には、取り壊し費用や

造り直しにかかる費用を想定しておかなければなりません。

<活用法>

高低差を利用して、ガレージや地下室を造る場合は、平らな

土地に造る場合と比べて工事費を安く抑えられることがあり

ます。

◆狭小地

10坪台、またはそれよりも面積が小さい土地です。

狭小地の場合、広い土地よりも当然制約は多くなってしまい

ます。しかし、プランニングの自由度が高い工法を採用する

ことによって、その土地を最大限に活かすことができたり、

設計の工夫次第では、面積以上に広さを感じることもできる

はずです。

住宅ローンの利用にあたっては、融資する土地の面積に下限

を設けている銀行もありますので、事前にご相談が必要です。

<活用法>

容積率が高ければ、土地が小さくても必要な建物面積を確保

できる場合があります。また、容積率が低くても、地下室や

ロフトの緩和を受ければ、計画が成り立つ可能性があるかも

しれません。

プランニングの自由度が高い工法を採用する、小さく部屋を

仕切らずオープンな間取りにする、階段を壁で囲わない、

テラスなどの外部と室内をデザイン的に連続させるなど設計

の工夫によっては土地の狭さを緩和できることもあります。

◆細長地

間口と奥行きの比率が極端に異なる土地です。

土地の大部分が隣地と接するため、斜線制限や隣家の高さ、

配置の影響を受けやすくなります。

日当たり、プライバシーの確保などが難しくなります。

<活用法>

周辺の建物の影響を受けづらいプラン、つまりその土地の

中だけで完結する建物の間取りを考えることが重要です。

周囲の視線を遮る塀を建てたり、窓の配置を工夫すれば、

プライバシーを確保することができます。

◆旗竿地

土地が旗竿のような形をした土地です。

敷地延長、路地状敷地などとも言われます。

路地状の部分は、実質上建物を建てるのが難しいため、

敷地全体を有効に利用できない場合があります。

また、前面道路に2メートル以上接していない土地には、

建物を建てることはできませんので注意が必要です。

<活用法>

路地状の部分を駐車スペースにしたり、玄関アプローチ

として工夫することで、敷地全体を有効に利用すること

ができます。