前回に引き続き、築30年を超える住宅をリフォームするか
建て替えするか? の判断基準について解説します。
今回は「建て替え」について。
● 建て替えたほうがよい場合
①その家を終の棲家とし、かつその家を承継するものが
はっきりしている➡ この場合は安心して建て替えを
検討することができます。親子で資金を出し合い共有
名義にするなど、法に定められた所定の条件を満たす
ことで、大きな節税効果も期待できます。
②老後資産などもしっかり計算した上で、資金に余裕が
ある➡ いずれ訪れる健康寿命の到来と共に、要介護
状態になってしまう可能性は、誰しもが抱えています。
そのときに備え当面の間、生活に困らない程度の資金
などをしっかり計算し、余裕があるときは建て替えを
検討する価値があります。
③既存建物の確認申請が昭和56年(1981年)6月1日以前に
出されたもので耐震改修に多額の費用がかかるという
ことがはっきりしている。あわせて、現在の住まいに
ついての不満が構造、断熱、間取り、設備など、ほぼ
すべてに及んでいる➡ 耐震改修工事で多額の費用が
かかる可能性が見込める場合、他にいくつもの住まい
への不満を抱えており、解消にかかるお金の兼ね合い
からその場で我慢したととしても、いずれ直すことに
なってしまうことが多いようです。多くの不満を解消
するにはリフォームより建て替えのほうが結果として
は安上がりに済んでしまう場合が多いようです。
④地盤が弱く、家が傾いている➡ ジャッキアップして
床を水平にする工事もできますが、程度によっては、
数百万円のコストがかかります。
古屋を解体してから、しっかり地盤改良工事を行ない、
基礎から作り直すことで軟弱な地盤だとしても地震に
強い建物に建て替えることができます。
⑤建物の土台や柱、梁など構造部分が傷んでいる➡
見た目がしっかりしていたとしても、広範囲で腐食し
ていたり、白蟻被害があると、補修しても長持ちする
構造にはなりません。
建て替えかリフォームか? その見極めは素人では判断が
難しいので、専門家に現地調査を依頼することをお勧めし
ます。
次回は、築30年を超える住宅をリフォームするポイントを
お伝えします。