渡辺ハウジング誕生秘話


会社誕生秘話


「母さんに、暖かく過せる家をプレゼントしたかった」

私は、長野県の小さな町で、新聞店を営む家の長男として生を受けました。
きれいな空気の下、両親の愛情に守られ何不自由なく生活していましたが、中学2年生のとき突然父が病で他界。

それまで家族仲良く住んでいた家を離れ、小さな借家に移り住みました。
母親が気丈な人でしたので、父亡き後も私達姉弟は無事に高校生活を送ることが出来ましたが、長男なので将来は父の仕事を引き継ぐものと決めていた私は、方向をすぐには見い出せず悩みました。

大学へ進もうか?それとも家族のために働こうか?自分なりにいろいろ考えました。

「自分の人生なのだから、家のためではなく自分のために生きなさい!」
母のこの言葉で決断しました。
母の勧めもあり、叔母を頼って上京することにしました。

いよいよ上京する朝、母は駅まで見送りに来てくれました。
きっと心の内は、心配や寂しさでいっぱいだったはず。
でも笑顔で手を振ってくれた姿を思い出すと今でも胸がキューンとします。

 

大工仕事が性分にあっていた

建築の専門学校を卒業し、ある大手ゼネコンに現場監督として就職しました。
しかし、仕事に慣れるにつれ、単調な仕事に気力が薄れ始めました。
そんな頃、ある現場で親しくなった大工さんと話をするうち、手作業の大工仕事に興味を覚え、知らないうちにすっかりのめり込んだ自分がいました。
偶然にも、その大工さんが所属している会社の社長に会う機会があり、その会社でお世話になることを決意したのです。

小さな会社でしたので、「見積り作成」「図面描き」「現場監督」など、一人で何でもしなければならず多忙でしたが、おかげで在来軸組み、ツーバイフォー工法の実務を数多く経験することができました。
当時は私も若かったので気力・体力とも十分で、忙しい合間を縫って勉強し、無事念願の二級建築士の資格を取得しました。
確かに忙しかったですが、毎日充実した日を送っていました。

 

ピンチがチャンス、不思議なご縁

そんなある日、社長が突然病に倒れ、会社閉鎖という事態になりました。
せっかくこれまで頑張ってきたのに、これからどうしたらよいのか途方に暮れていた時、その頃親しくさせていただいていた会社の重役から「今度、ある有名な映画監督の家を建てる事になった。ツーバイフォー工法が希望なので手伝って欲しい」と声をかけていただき、それなら思い切って新会社を立ち上げよう! とスタートしたのが渡辺ハウジングなのです。
 
人の出会いって不思議ですね。
 
会社設立など夢にも考えていなかった私が、工務店を経営することになったのですから...

いざ会社を立ち上げてからはいろいろな事がありました。
中でも一番強く感じたのは下請け業者という立場でした。
下請け業者とは、親会社の作成した図面、仕様書に従い、工期通りに仕上げるだけ。
そこには住む人の顔も全く見えず、単に商品としての家を完成させるだけのものでした。
コスト、使用する資材の良し悪し、職人の選択等にも疑問が生まれました。
 
これでよいのだろうか?
 
お客さまの要望を直接聞き、少しでもお客さまの理想に近づく家をお客さまと一緒に作りたい。
そして完成した家を喜んでいただけたらこれ以上の幸せは有りません。
私が作りたいと考えていた家は...
 
・しっかり断熱された暖かい家
・自然素材を多用した健康的な家
・家族が笑顔で暮らせる安全で丈夫な家

 
こんな家です!


「渡辺ハウジングの“本物の家”づくり」


下請け工務店からの脱却

そこで決意したのが、渡辺ハウジングが元請け工務店として、
お客さまのご契約を直接いただいて、直接工事をさせていただくこと。
と言っても、今まで下請け工務店として黙っていても「仕事が貰えた」立場から自分でお客さまを見つけないといけない立場になった訳ですから、簡単なことではありませんでした。
いい家を作る技術と自信はありましたが、お客さまを見つける方法は知りません。営業も得意ではありません。
住宅展示場も無ければ、豪華なパンフレットもないし宣伝広告する予算もありません。
しかし、余計な費用を営業経費にかけない分、同じ予算なら絶対に他社より心のこもった家をつくることができます。
 
暖かくて、気持ちいい家がつくりたい
お客さまと一緒に「本物の家」をつくりたい。

 
その想いをますます強くしている時、A様の奥さまが「空気のきれいな家に住みたいな!」と一言。
 
お話を伺ってみると、奥さまは子供の頃からアレルギー性鼻炎で長い間苦しい経験をしているので、子供達にはそのような辛い思いをさせたくない。
せめて室内の空気をきれいにして、カビや湿気の無い家が欲しい。
クーラーが苦手なので、できれば自然の力を利用して、快適な家は出来ないものでしょうか? とのご相談を受けました。
 
こんな悩みを抱えている人は他にももっといるのでは?
 
という事から自然素材の勉強を始めました。
いろいろ調べてみると、今まで当たり前のように使っていた資材や内装材の中には知らないうちに身体に悪影響を及ぼすであろう物もあり、驚きました。
また、クーラーが苦手なら自然素材の珪藻土の塗り壁を上手に活用して、空気の浄化をはかればよい。
それによって調湿性能が高まり、暑さもそれほど苦にならず快適になります。
その上、カビや結露の発生を防ぐため、大事な構造体が腐る心配もなく丈夫で安全な家に安心して住むことができる事が判ってきました。
 
「じゃあ逆に冬の寒さ対策は?」
 
B様のご主人は大変寒がりで、冬の朝は起きるのがとても辛いとの事でしたが、
外の冷たい空気が室内に入らないように断熱性能を上げる事により、とても温かくなったと喜んでくださいました。
更に長い目で見れば、メンテナンス費用や光熱費が下がり、家計費の節減というおまけ付きとなりました。

こんな風にお客さまと相談しつつ、完成した家を喜んでいただけたらこれ以上の幸せはありません。
これが、私が作りたいと考える「本物の家」です。


沢山の素晴らしいご縁をいただいて

おかげさまで、渡辺ハウジングは、創業30年を迎ようとしています。
何も判らないまま、一人長野から上京し、気がつけば多くの方達に支えられ、歩んでまいりました。
今は、私が理想としていたお客さまと一緒につくる「本物の家」を手掛けることが出来ています。
お客さまの話を直接じっくり聞いて、直接契約させていただく、下請け工務店時代にはつくれなかった「本物の家」です。

私一人ではとてもここまで続けることは出来ませんでした。
渡辺ハウジングの家づくりを支持してくださったお客さま、信頼できる職人達、協力業者、スタッフ、
そして家族に感謝の思いでいっぱいです。
本当に有難うございます。

ただ、これまで仕事を続けられた中、たった一つ心残りがあります。
それは、私達姉弟を東京や他県に送り出した後も長野で暮らし続けた母に、寒さが厳しい冬でも暖かく、
そして身体に優しい自然素材を使った家をプレゼント出来なかったこと。
今では、叶わぬ夢になってしまいましたが、母の代わりにこの想いをお客さまに届けたいと、日々励んでおります。



追伸
代表取締役 渡辺 康司

大工仕事に興味を持って、建築士の資格も取りました。
工務店の仕事は「家をつくること」です。
私は口下手で営業もつたないですが、お客さまにご満足いただける家を真心こめてつくる自信はあります。
お客さまと一緒につくる「本物の家」に興味のある方は、是非お問い合せください。